食文化の混在「KLCCフードコート/クアラ・ルンプール」
2005年 6 月01日(水)
「西欧人は日本と韓国と中国をごっちゃにしている!」と憤慨する日本人がいるが、その人がマレーシアとシンガポールとインドネシアの文化の違いを明確に説明できるだろうか。「サテ」や「ナシゴレン」はどの国の食べ物か知っているだろうか。…他国への興味と知識はバランスが取れているとは限らない。「カリフォルニア・ロール」は既にアメリカの食文化だろうし、ハンバーガーは日本の子供達にとって最初から日本の食べ物だろう。アメリカで「フライド・ポテト」は「フレンチ・フライ」。食文化は、その出自を問わない世界なのかもしれない。
それにしても、アジア各国のフード・コートは楽しい。毎日のように通っても飽きることがない。ここ、KLCC(クアラ・ルンプール・シティ・センター)フード・コートも、マレー料理、中華料理、イタリアン、インド料理、アラブ料理、なんでもあり。どこの国の料理、という概念はなく、「サテ」があり、「カレー」(それも、インドとタイの)があり、「スシロール」まで。一度受け入れられたら、その国の味。
アジアの人々の味覚は貪欲で、新たな味覚を受け入れる度量が広いのかもしれない。食文化が軽々と混在できるように、思想や歴史や宗教が混在でき、互いに自然に受け入れ合う、そんな文化圏ができれば…。でも、それを許容し、法治国家として運営できる政治がないと難しいのだろう。
それに、度量の広い味の世界にしても、妻も私も大好きな「香菜=パクチ=コリアンダー」を食べられない人、かなりいるもんなぁ。香菜自体は名前を変えながら各国の料理に伍する強い力がある香草。それでも仲を取り持てない人間関係もあるという訳だ。まぁ仕方ないか、中華料理好きでもなかなか信頼し合えない、日本人と中国…。